2008.03.28 Friday
LE COMBAT ORDINAIRE読了/内田善美の漫画/春だから
JUGEMテーマ:Bande Dessinee
アテネも今日で最後の授業。
今期はManu Larcenet(マニュ・ラルスネ)の『LE COMBAT ORDINAIRE(ル・コンバ・オルディネール「ありふれた戦い」)』を読んでいました。くわしくは→こちらで
授業で読むと、細かく分けて時間をかけて読むので、自分一人で読んでいたときには気がつかなかった事や、細かいニュアンスまで考えながら読む事ができるので、この作品もかなり読み応えがありました。
前半はやや淡々とした印象もあるのですが、中盤でそれまで自分一人の世界の中でひっそりと生きてきた主人公が、すこしづつ外の人と接触することでささやかながらも幸せな世界を築きあげてゆく過程と比例して、それまでもっとも主人公のそばにいた猫の存在が薄くなり、やがて綻びが生じ、そしてラストの数ページでまさに音をたてて崩れてゆくのをなす術もなく呆然として眺めることしかできないというあたりの描写は、わずか54ページの漫画でよく表現したなぁという感じです。
意外に文章量は少なく、シンプルな絵の果たす役割が大きく、主人公の感情表現の半分は絵によって表現されているといっても過言ではないでしょう。
最初読んだ時には後半の主人公の激高ぶりがあまり理解できなかったのですが、こんかい読み直して納得。
こういうものの見方って自分もよくするよな〜と。
これ、なんとかがんばって日本語に訳してみたいです。
ニュアンスを少ない台詞でいかに込めるかがポイントだと思うのですが。
来学期はこの続きをやるそうで、2巻目はさらに感動して涙なくしては読めないそうな。。。ホントかいな?
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部屋の整理をしていたら、なぜか内田善美の「7月の城」という短編の切り抜きがでてきた。他にも一条ゆかりの「砂の城」とか切り抜いてとってあったはずなんだけど、それらはいつのまにか処分してしまったらしく、なぜかこれだけが引き出しの奥に他のものにまぎれてはいっていました。
話自体はたわいもないラブコメディーなんだけど、ミュッシャを意識しているかのような繊細な描写は、ざらっとしたピンク色のわら半紙みたいな紙にあまりにも不釣り合いで変な感じ。
でも漫画ってどんなに繊細でも、こういうざらついた紙に印刷されて初めて世の中の目にふれるのよね。
今思うとなんだかとっても不条理な感じがする。
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今週は外出しなくてもいい日が多いので、日中外へでかけてなかったら、あっという間に桜は咲き始めるし、ベランダのハーブやサラダミックスもどんどん芽生えてくるし、春が一気にやってきたって感じですね。
花粉症でいつもより敏感肌になっているので、外出はちょっと憂鬱なんですがなんとなくじっとしていられないのが春ですね。
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